ダイビングライセンスの種類と違いは?
最終更新日:2025年11月3日
著者:NAUIダイビングインストラクター 赤木 和義

ダイビングライセンスの種類とランクの違いをわかりやすく解説!


ダイビングライセンスの種類とは?

「ダイビングライセンスを取りたい!」と思っても、実はダイビングライセンスには多くの種類が存在します。 種類の違いを知らないままでは、スクール選びやコース選びで迷ってしまうことも少なくありません。

ここでは、これからライセンスを取得したい方に向けて、主なダイビングライセンスの種類とランクの違いをわかりやすく解説します。

世界の指導団体とライセンスの歴史

現在、ダイビングライセンスを発行している指導団体は、世界でおよそ200団体(参考: ダイビング指導団体リスト(英語版))あるといわれています。日本で講習を受けられる主要な指導団体としては、NAUI・PADI・BSAC・SSI・CMASなどが代表的です。

ジャック=イヴ・クストースキューバダイビングの始まりは1943年。 フランスの海洋探検家『ジャック=イヴ・クストー氏』がスクーバシステムを開発したことが出発点です。戦後、この技術がレジャーとして広まり、特にアメリカを中心に急速に発展しました。(参考:マサチューセッツ工科大学 発明者アーカイブ

当時は安全基準が十分に整っておらず、危険な潜水も多く行われていました。 その状況を改善するため、1950年代から安全で質の高い指導を行う「ダイビング指導団体」が誕生していきます。

アメリカではNAUI、イギリスではBSACが設立され、その後NAUIから派生してPADIが誕生しました。(参考: 世界初のダイビング指導団体「NAUI」

日本ではアメリカからダイビング文化が入ってきたため、NAUIやPADIのライセンスを発行するスクールが多いのが特徴です。 近年ではBSACやSSIの講習を行うスクールも増えてきています。今回はNAUIを中心にダイビングライセンスの種類を紹介していきたいと思います。

1 初級ダイビングライセンス

一般的に「ダイビングライセンスを取得する」とはこの「初級ライセンス」を取得することを指します。「ダイビングを趣味にしたい」「旅行先で潜りたい」「体験ダイビングが楽しかったから本格的に挑戦したい」――そんな方に最適な入門コースです。※ライセンスカードのデザインは年度やスクールによって異なる場合があります。
NAUIオープンウォーターダイバー
オープンウォーターダイバーライセンスコース
NAUI公式サイトでは、次のように説明されています。

「オープンウォーターダイバーを取得すれば、世界中の海でダイビングサービスを受けられるのはもちろん、講習を受けた環境下であれば、インストラクターがいなくてもバディと安全にダイビングを楽しめます。」(NAUI公式HP

水深18mまでという制限はありますが、憧れの水中世界への扉が開かれます。 PADIでも同名の「オープンウォーターダイバー(Open Water Diver)」があり、BSACでは「オーシャンダイバー(Ocean Diver)」と呼ばれます。 名称は異なりますが、取得後にできるダイビングの範囲はほぼ同等です。

2 中級ダイビングライセンス

中級ダイビングライセンスでできるダイナミックなダイビング
初級ライセンスを取得して少し慣れてくると、もう少しエキサイティングなダイビングを経験したいと思うようになります。初級ライセンスで潜る場所は浅めで穏やかなポイントが多く、生物のサイズが小さい傾向があります。マンタやジンベイザメなどに代表される大きな生物や、足のすくむようなダイナミックなドロップオフの地形、洞窟ダイビングや冒険心をくすぐられる沈没船。夜に潜るナイトダイビングなど、ダイビングに慣れてくると興味が出てくるものです。

そんなダイビングを可能にしてくれるのがこの中級ライセンスです。
NAUIアドバンスダイバー
アドバンスダイバーライセンスコース
NAUIアドバンスダイバーコースを修了すると、以下のような様々なダイビングを経験することができます。

ボートダイビング

ボートを使って沖合のダイナミックポイントでダイビングができるようになります。オープンウォーターダイバーではビーチから歩いてダイビングをスタートさせる「ビーチダイビング」が主流となる為、水中の景観が緩やかで、生物のサイズも小さくなる傾向があります。

しかしボートダイビングでは沖合のポイントを潜れる為、カンパチ、ブリ、マグロなどの大型の回遊魚や、ダイバーに絶大の人気を誇るハンマーヘッドシャーク、マダラトビエイやマンタ。運がよければ「ジンベイザメ」との遭遇も夢ではありません。


ディープダイビング

水深30m程度まで潜水が可能となります。最初はオープンウォーターダイバーの18mまででも十分と感じる方も多いとは思いますが、ダイビングの本格的な面白さは水深15m〜25m付近にあると言っても過言ではありません。特に冒険、探検心を沸きたてる沈没船のダイビングや洞窟のダイビングでは、18m以上深く潜れないと、案内してくれない場合があります。

ナイトダイビングの様子

ナイトダイビング

夜潜るダイビングと聞くと、「怖そう」とか「危険じゃないのかな」と感じる方が多いと思います。しかし一度でも夜の海を潜ってみるとその印象は変わると思います。ナイトダイビングは真っ暗闇でのダイビングではありません。街灯の少ない夜道のような感覚で、比較的周りが見えます。満月の夜ではかなり明るく、水中ライトも持って入るので安心です。

エビやカニなどの甲殻類は夜行性の生物が多く、大きなイセエビが岩の上に出ていて、じっくり観察できることもしばしば。夜光るプランクトン「夜光虫」がキラキラと光って、幻想的な体験をすることもできます。

主な同等ライセンス:
●PADIアドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー
●BSACスポーツダイバー

3 レスキューダイバーライセンス

レスキューダイバーと聞くと、「できる自信がない」とか「自分なんかが関わらないほうがいいのでは?」という方が多いのではないかと思います。しかし、ここでいうレスキューダイバーのライセンスコースはあくまでもレクリエーショナルダイビングの範囲の講習であり、プロコースの講習会ではありません。レスキューの大変さを知り、未然に事故を予測、予防し、より一層ダイビングを安全に行えるようになる事を目的としています。

また実際にレスキューの現場に遭遇した場合はインストラクターの手伝いを積極的にできるようになり、自分だけが楽しむダイビングから、人の役に立つダイバーになることができます。
NAUIレスキューダイバー
レスキューダイバーライセンスコース
NAUIレスキューダイバーは、NAUIオープンウォーターダイバーのライセンスを取得していて、NAUI CPR&First Aidの有効な資格を持っていれば受講ができます。

いろんなトラブルを想定して対処法を勉強することにより、トラブル発生時に落ち着いて対処ができるようになります。また、様々な事故の状況と原因を知ることにより、事故の原因を事前に取り除くことができるようになります。

主な同等ライセンス:
●PADIレスキューダイバー
●BSACレスキューSDC

4 上級ダイビングライセンス

アドバンスダイバーやレスキューダイバーを終了すると、「もっとダイビングを極めてみたい」と思うことでしょう。上級のダイビングライセンスコースに挑戦することは、レクリエーショナルダイバーの最高峰にチャレンジすることです。中級ライセンスまでは「ダイビングを楽しむ」ことに重点が置かれているコースですが、この上級ライセンスでは「ダイビングを深く理解する」ことに重点が置かれています。

今まで安全に潜るために、インストラクターに指示をされないと解らなかったことが、このコースを通じて「指示をされる前に気付く」ことができるようにもなります。
NAUIマスターダイバー
マスターダイバーライセンスコース
NAUIマスターダイバーコースは今までに習ったダイビングの総復習と応用からなるコースです。今までのライセンスのランクをわかりやすく解説すると、オープンウォーターダイバーは「最低限のことが自分自身でできる」「ダイビングの一定レベルの知識の習得」を目標としており、アドバンスダイバーは「様々なダイビングを経験して、経験値を増やす」事を目標にしています。

それに対してマスターダイバーは「ダイビング全般における深い知識の習得」「ダイビング技術の総復習と応用」そして最終的にはインストラクターのサポートを受けながら、自分自身で安全なダイビング計画を立てられるようになる事を目指していきます。

主な同等ライセンス:
●PADIマスター・スクーバ・ダイバー
●BSACダイブリーダー

5 リーダーシップライセンス

マスターダイバーになると、一部の方は「ダイビングを仕事にしてみたい」「インストラクターに憧れる」と思う方がいます。ダイビングを仕事にするには通常「ダイビングインストラクター」を取得する必要がありますが、ダイブマスターはインストラクターの登竜門のようなコースです。
NAUIダイブマスター
ダイブマスターライセンスコース
NAUIダイブマスターを取得すると、すでにライセンスを取得している人を水中でガイドや、体験ダイビングのアシスト等をすることができるようになります。ダイビングスクールによってはインストラクターでなくてもダイブマスターで就職ができるところもあります。

主な同等ライセンス:
●PADIダイブマスター
●BSACダイブディレクター

まとめ


ダイビングライセンスは、目的や経験に応じて段階的にステップアップできます。 まずは初級の「オープンウォーターダイバー」から始めて、自分のペースで上位ライセンスに挑戦していきましょう。

ブルーアース21都立大では、NAUI公認の各種ライセンス講習を開催しています (詳しくはこちら→ブルーアース21都立大公式サイト)。初心者の方も安心して学べる環境で、一緒に安全で楽しいダイビングライフを始めましょう。

著者:赤木和義 ダイビングスクール ブルーアース21都立大 取締役
1979年生まれ 福岡県出身 18歳でダイビングライセンスを取得。

大学在学中はマレーシアでの「マレー半島のサンゴ生育状況の研究」に帯同し、自身も「サンゴ礁域における人工魚礁と魚類の関係」の研究を行う。

大学卒業後の2002年から「ダイビングスクール ブルーアース21都立大」にインストラクターとして登録。初心者向けの講習会を多く担当し、これまでに1000人以上のオープンウォーターダイバーを認定。 NAUIダイビングインストラクター。NAUI-#38890

WE LOVE EARTH !  ダイビングスクール ブルーアース21都立大 「NAUI ダイビングライセンス 取得」
  〒152-0022 東京都目黒区柿の木坂1-30-17 TEL03-5731-8686
ダイビングスクール ブルーアース21は、東京都、神奈川、静岡、に全国展開。安心と信頼のダイビングショップです。

Copyright(c)2024 Blue Earth 21 Toritsudai. ALL Rights Reserved.
商標ロゴマーク、写真、文章、フレーズの無断掲載・転用禁止。違反した場合は法的に正当な損害賠償請求を行います