ダイビングスクールでの講習会の様子
最終更新日:2023年12月18日
著者:NAUIダイビングインストラクター 赤木 和義

【2023最新版】失敗しないダイビングショップの選び方

憧れのスキューバダイビングを始めたい場合、ダイビングライセンスを取得しなければいけません。ライセンスを取得する方法はいくつかありますが、個人的にインストラクターの知り合いがいない限り、ダイビングショップに通う必要があります。

ショップ選びはライセンス取得後のダイビングライフを左右する、とても大切な最初の選択になります。今回は、ライセンス取得に必要な「失敗しない初めてのダイビングショップの選び方」について解説していきます。この情報をもとにご自身にあったスタイルでショップ選びをしましょう。


1、ダイビングショップとダイビングスクール、ダイビングサービスの違い

ダイビングを始めようとした方が、まず最初に疑問に思うことが「ダイビングショップ」とか「ダイビングスクール」「ダイビングサービス」といった、色んな言い方があるところです。何が違うの?とよく質問をされますが、ダイビングショップというカテゴリーの中に講習会を中心とした営業形態の「ダイビングスクール」と、ダイビングツアーを中心とした営業形態の「ダイビングサービス」があるという感じです。

その1.ダイビングスクールとは

スクールでの学科講習会の様子
まずダイビングスクールですが、主たる営業内容がダイビングライセンス講習会の開催です。学科講習やプール講習が受けやすいように比較的都心部に多くあり「都市型」とも呼ばれます。海洋実習は現地の海まで送迎がつく場合が多く、ライセンスの取得後の器材購入の相談や、ダイビングツアーの開催も精力的に行なっています。全くダイビングをやったことがない方が、まず初めに取得する初級ライセンスの発行が多く、初心者向けです。

その2.ダイビングサービス(センター)とは

ダイビングサービスは、ダイビングショップがツアーを開催した場合に、実際にタンクを借りたり、器材を洗ったり、その他更衣室やお手洗いなどの施設を提供してもらえる、まさにダイビングポイントが目の前にある場所で、「現地型」とも呼ばれます。ダイビングサービスも直接ゲストを受け入れている場合がほとんどです(ショップのツアーでないと受け入れていないサービスもあります)。ライセンス講習会の開催も行ってますが、都市型のスクールや海外、沖縄旅行でライセンスを取得された方が、現地サービスを探してそこに通うというスタイルが多いように思います。
ダイビングライセンスを取得する上で、まずはこの「都市型のダイビングスクール」で取得するのか、「現地型のダイビングサービス」で取得するのかを決めることからスタートします。 都市型のスクールは自宅や会社から近くにあり、お仕事帰りや休みの日に気軽に通うことができるメリットがあります。多くのダイビングスクールが初級ライセンスを取得するための「無料相談会」を開催しており、初心者の方は自分の雰囲気似合いそうなスクールをネットなどで調べて、無料相談会に参加することをオススメします。

現地型のサービスでライセンスを取得する場合は、まとまったお休みが取れた場合に、現地に数日滞在して短期間で取得するプランがオススメです(参考ページ→ダイビングライセンス取得の8つのポイント)。
以上、どちらのスタイルが自分に合っているかを考えて、ライセンスの取得方法を決めましょう。今回は都市型のダイビングスクールで取得を考えた場合の流れを解説していきます。

2、ダイビングショップと指導団体の関係

都市型のダイビングスクールで取得しようと決めたら、次はどのショップを選ぶかという問題が発生します。ショップ選びで最初にチェックするべきことは、そのお店が発行するダイビングの指導団体を知っておく必要があります。ダイビングショップはライセンスを発行する上で、必ずダイビングの指導団体に所属する必要があります。ダイビングの指導団体は現在世界に200以上の団体が存在しますが、世界的に知られている指導団体でないと、取得後のダイビング活動が制限される可能性があるので注意が必要です。
ダイビングライセンスを発行する5つの主要指導団体 日本では1970年にアメリカからNAUIとPADIという指導団体が最初に入ってきました。NAUIは1960年に民間の指導団体としては世界で最初にできた団体ですし、PADIは現在世界最大規模を誇る団体です。ですので団体としてはNAUIとPADIであれば間違いなく世界中でダイビングができますし、その他BSAC、SSI、CMASなども世界中でダイビングができる信頼性のある団体です。

講習生に直接ダイビングを指導するのは指導団体ではなく、そのショップに所属するインストラクターです。ですので上記の5大団体であれば(その他Cカード評議会に所属する団体であれば大丈夫)、ダイビングが上達する上でどの指導団体が有利か?ということは特にありません。指導団体の種類が重要というよりかは、そのショップに所属するインストラクターの質が重要となります。経験豊富なインストラクターがいるお店では、質の高い講習会が受けられますが、そうでない場合は例え指導団体が世界基準であっても、講習会のレベルが低い場合があるので注意が必要です。(参考ページ→ダイビングライセンスの指導団体の種類)

3、ダイビングショップの規模とメリットデメリット

ダイビングの指導団体がわかったら、次は希望の指導団体のライセンスを発行できるショップ選びに入ります。ここで注意が必要なのは指導団体は絶対的な判断基準にはならないため、世界で通用する団体であれば1つに絞るのではなく2、3の団体から候補をあげると選択が広がるでしょう。 ダイビングショップは所属するインストラクターの人数、店舗数、設備等で大規模、中規模、小規模に分かれます。それぞれにメリットデメリットがあるので知っておいた上で、自分に合ったスタイルのショップを選ぶようにしましょう。しかし、企業努力によりそれぞれの規模にあるデメリットを少なくしている事もありますので、大規模だからこうとか、小規模だからこうだとか、最初から決める必要はありません。実際に無料相談会に参加して、そのお店の雰囲気などを見て決めましょう。
  

その1、小規模ダイビングショップ

所属するインストラクターが1名〜2名で1店舗で運営をしているお店です。オーナー自らインストラクターの場合も多く、とてもアットホームで、講習会も親身になってしっかりと対応してもらえる事が多いのが特徴です。マンツーマンの対応にも柔軟でスキルに自信がない方にはオススメです。しかしダイビングはその個人個人で潜り方の趣味趣向がかなり左右されるスポーツです。オーナーが目指すダイビングによってダイビングスタイルが偏りますし、講習会の金額が高い傾向もあります。

ダイビング器材の選択の幅が狭かったり(プロのオススメの器材が良いに決まっていますが、自由に器材を見て吟味したい方には、不向きです)、中、上級ライセンスまでステップアップを目指す場合が多く、中、上級、あわよくばインストラクターまで目指したいという方には問題ありませんが、ゆっくりと自分のペースで通いたい方には向かない場合があります。スタッフが少ない分、インストラクターと合わなかった場合、ライセンス取得後にそのショップに通うことが難しくなり、新たにお店を探さなくてはならなくなることがあります。初級のライセンスを受講しているが、取得後ショップを変えたいがどうすればいいか?など、私も長い経験の中で、このような相談を受けることがよくあります。

また、そこに通うゲストもインストラクターと非常に近い関係になっているケースが多く、歴史が長いお店ほどインストラクターと常連メンバーとの結束が強く、その輪に入れればとても楽しいダイビングライフにつながりますが、そうでない場合はなかなか馴染めないケースも見受けられます。
  

その2、中規模ダイビングショップ

現在、比較的人気があるのがこの中規模のダイビングショップです。3〜5名程度のインストラクターが在籍し、1〜3店舗を運営しているダイビングショップです。非常勤のガイドダイバーも数人在籍している場合が多く、スタッフは全体で10人程度になるお店が多いです。中規模のダイビングショップは小規模時代を経ているケースが多く、小規模のメリットを失わないよう配慮しながら、小規模のデメリットをなるべく無くしているお店が多いです。

小規模ショップに求められるきめ細かなサポートやマンツーマン対応、アットホームな雰囲気は中規模ショップでは多少難しくなります。インストラクターとの関わりも小規模ショップよりは希薄になりますし、ゲスト同士のつながりも薄くなりますので、こういったサービスを求める方は向かないケースもあります。しかし、最近はこういったショップの方がゲスト受けがよく、スタッフと適度な距離感でダイビングができるため、人気が出てきています。インストラクターが数名在籍しているため、個人的に合う合わないになりにくく、比較的長く続ける方も多い印象です。

注意が必要なのは、大規模ショップよりも講習会の費用が少し高い場合が見受けられます。やはり大手ほど講習生を受け入れる体制がなく、多くのスタッフや店舗を維持するには仕方がないことです。各ショップは付加価値をつけるなどの工夫をしており、サービスに見合った金額かどうかを確認して選びましょう。
  

その3、大規模ダイビングショップ

大手のダイビングショップとはインストラクターが10名以上在籍し4、5店舗以上運営しているショップです。ダイビング業界は大手が非常に少ないのが実情です。ダイビングはアウトドアスポーツですし、スキル上達にはかなり個人差があるため、一人ひとりの進捗状況に合わせた講習会や安全管理の観点から小規模、中規模のショップの方がきめ細やかなサービスができルため、向いているのです。いわゆる大手が参入しにくい業界とも言えます。その中で長く運営を続けている大規模ダイビングショップは、各社企業努力をしています。

一人一人の細やかなサポートやアットホーム感、インストラクターのつながりやゲスト同士の繋がりは小規模、中規模にはやはり叶わない部分がありますが、年間にこなす講習数におけるノウハウの蓄積や、施設、設備の充実度は、ショップ選びには有利な点です。しかし、こういった施設や設備、従業員を維持、運営するためにたくさんの講習生を集める必要があります。そのため、講習費を比較的安く設定している場合が多いのですが、そのあとのステップアップや器材の料金が高めに設定されているケースもあります。よく確認して選ぶようにしましょう。

4、ダイビングショップ選びで知っておきたい3つの事

ダイビングショップを選ぶ上で知っておいたほうがいい注意点がいくつかあります。前述したようにダイビングショップは指導団体に所属する必要がありますが、料金設定や営業方法、どのようなダイビングツアーを開催するかは、基本的にそのお店に委ねられています。それにより多様なダイビングシーンやサービスの広がりが期待できますが、初心者の方にはわかりにくいサービス形態があるのも事実です。ここでは、ダイビングショップを選ぶ際に特に確認が必要な3点に注目していきたいと思います。

その1.ライセンスを取得するまでの総額を確認する。

ダイビングライセンスを取得するまでには様々な費用がかかります。「講習費」と書かれていても、どこまでの費用が含まれている金額なのかを確認する必要があります。ダイビングの業界には「講習費」にどこまでの費用を含めないといけないという規定がないため、それぞれのショップによって含まれている項目が違います。ライセンス取得までに費用がかかるのは以下のような項目が一般的です。

ダイビングショップでの学科講習会の様子 ① 学科講習費
回数や時間はショップによって違いますが、インストラクターが教科書を使ってレクチャーしてくれるための費用。

② プール講習費
こちらも回数や時間はショップによって違いますが、インストラクターがプール(プールでなくても水深が浅く流れのない限定的な水域であれば海でも可)でレクチャーしてくれるための費用。

③ 海洋実習費
ほとんどの指導団体が4回の潜水を規定としています。インストラクターが一緒に4回潜って海での実習をしてくれる費用。

④ 教材費
ショップが所属する指導団体によって多少の違いはありますが、学科講習で使う教科書やログブック(ダイビングの履歴を書く日記のようなもの)などを購入する必要があります。ごく稀に講習費の中に教材費が含まれていないショップも存在します。「教材は別途購入してください」となっている場合は金額を確認するようにしましょう。

⑤ 施設使用料
プール講習会や海洋実習で使う施設の使用量です。プール講習や海洋実習を受ける上では必ず施設を使用する必要があるので、講習費に含まれていることが普通ですが、これもごく稀に費用に含まれていないケースもありますのでご注意ください。

⑥ ダイビング器材レンタル代
プール講習と海洋実習で使うダイビング器材のレンタル代です。レンタル代は全てレンタルを希望される方や、マスクやスノーケルなどの一部は揃えて、残りをレンタルされる方や、全て購入されて受講される方もいらっしゃるため、レンタル代は含まれていない事が多い印象です。

色んな指導団体のライセンスカードデザイン ⑦ライセンス申請料
ダイビングのライセンスカードを指導団体に申請する際に必要になる費用です。「Cカード申請料」「Cカード発行手数料」などと記載されているケースもあります。通常は講習費に含まれていますが、ごく稀に最後に別途請求される事もありますので事前に確認しましょう。

その他保険代や漁協協力費、タンクレンタル代などありますが、通常は以上の7項目がライセンス取得までにかかる費用です。ライセンスを取得しようかなと思える「気になるスクール」が見つかったら、電話か無料の相談会に参加して、ライセンス取得するまでにかかる総額を必ず確認しましょう。「講習費に含まれないものはありますか?」や「講習費以外にかかる費用はありますか?」と聞けば教えてもらえるでしょう。

その2.器材購入や中級ライセンスまで取得する必要があるか確認する。

ライセンス講習費がショップごとにまちまちなのは、「どこまでが講習費用として含まれているのか」を確認することが重要だということは前述しました。しかし、ショップによっては低価格で講習を提供する代わりに、ダイビング器材の購入が必須(全てではなく、一部という場合もあります)というケースや、中級のアドバンスコースまでステップアップすることが必須だったりするケースがあります。最初から費用をしっかりかけて趣味を見つけたいという方には、初級ライセンスの取得費用が抑えられてお得です。しかし、とりあえずライセンスを取得してみて「楽しかったし、これなら続けられそうかなと思ったらその先を考えたい」という方には不向きです。

その3.ライセンス取得後のツアー料金を確認する。

ダイビングライセンスを取得したら、いよいよ楽しいダイビングライフがスタートします。憧れの南国リゾートに出かけて行ったり、沖縄の美しい海を潜ったりも良いでしょう。しかしライセンス取得後はまだスキル不足な場合が多く、本格的なダイビングポイントでは実力不足の為断られてしまう場合が多いのが実情です。

その為、ライセンスを取得したショップが開催する日帰りのツアーなどで経験を積み、色んな環境でダイビングができるスキルを習得してから沖縄や海外のツアーに出掛けることが一般的です。よって、講習会を終了後にお得なツアー料金で経験を積めるかが非常に重要です。ライセンス取得ごのツアー料金も確認しておくことをオススメします。



以上、「失敗しないダイビングショップの選び方」を紹介してきました。スキューバダイビングは日常では絶対に味わえない浮遊感と美しい熱帯魚、見た事も無い様な大きな生物と出逢える、非常に魅力的な趣味です。しかしダイビングショップには色んな業態があるため、自分に合ったスタイルのショップを探してからスタートすることがオススメです。この内容を読んでいただき、ショップ選びの参考にしていただければ幸いです。
著者:赤木和義 ダイビングスクール ブルーアース21都立大 取締役
1979年生まれ 福岡県出身 18歳でダイビングライセンスを取得。

大学在学中はマレーシアでの「マレー半島のサンゴ生育状況の研究」に帯同し、自身も「サンゴ礁域における人工魚礁と魚類の関係」の研究を行う。

大学卒業後の2002年から「ダイビングスクール ブルーアース21都立大」にインストラクターとして登録。初心者向けの講習会を多く担当し、2022年までに1000人以上のオープンウォーターダイバーを認定。 NAUIダイビングインストラクター。NAUI-#38890

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