気になるスキューバダイビングガイド

視力が悪くてもダイビングは出来る? 度付きダイビングマスクの選び方

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スキューバダイビングを始める時に「視力が悪くてもダイビングはできるの?」という質問をよく受けます。海の中は陸上にいる時と比べて視界が悪くなるので、視力に不安があると気がかりですよね。そこで今回は、「水中でメガネをしてもいいの?」、「視力を補助する道具はあるの?」など、視力が悪い人の疑問にお答えしていきたいと思います!

海の中では見え方が違う

陸上で生活をしている私たちは、物の色や形を光の情報として受け取っています。瞳孔(黒目の中心)から目に入った光が虹彩(黒目の周辺)で調節。水晶体と角膜で二度屈折することによって集点を結び、視神経を通じて脳に伝達されて映像として認識されていきます。

水中に入った時、私たちの目がはっきりと物を見ることができないのは、角膜が直接水に接していることで、屈折力が機能しないからだと考えられているんです。このような理由から、ダイビングをする際にダイビングマスクを付けることによって角膜が直接水に触れることを防ぎ、水中でも物が見えるようにするのです。

ただ、水中では光の屈折率が違うので、陸上にいるときよりも物が1.33倍大きく(近く)見えます。視力が少々悪い場合でも、水中ではさほど支障はないというわけです。

度付きのマスクもある

水中では陸上にいる時よりも物がやや大きく見えるため、視力が0.5〜0.6よりも上であれば、特別な準備をしなくてもダイビングを楽しむことが可能です。

それよりも視力が低い場合には、オプティカルレンズと呼ばれるいわゆる度付きのレンズが用意されています。左右それぞれの視力に応じてレンズを入れることが可能ですが、上記で説明したように、水中では陸上よりも物が大きく見えるということを踏まえた上でレンズを選ぶようにしてくださいね。

選び方のポイントは陸上でレンズを合わせたときに「少し見えにくさを感じる程度」にしておくということ。陸上でちょうど良い度数に合わせてしまうと、水中では度が強すぎて目が疲れたり気分が悪くなったりすることがあるため、注意しましょう。

既製の度付きマスクは近視用のものがほとんどなので、遠視や乱視、老眼、もしくはひどい近視などの場合には、眼科医に処方箋を書いてもらってからオーダーメイドするのが一般的です。

ちなみにメガネ、コンタクトはダメ

「視力が悪いからといってメガネやコンタクトをつけたままダイビングをすることはできるのでしょうか?」――

答えはノーです。

水中は陸上にいるときと全ての勝手が違うため、万が一メガネが破損した場合に、冷静に対処することが難しいからです。一方、コンタクトレンズの場合は、そのままダイビングをすることは不可能ではありません。

ただ、マスクに水が入った際に流れて紛失してしまう可能性があり、その場合は以降のダイビングは視力に問題を抱えたまま続けることになり大変危険です。ダイビングを安心して楽しむためにも、視力が悪い場合には度付きのマスクを選ぶことをおすすめします。

ダイビング中は些細なことでもストレスになり、トラブルを引き起こす原因となります。視力に不安がある場合には、あらかじめダイビングショップに相談をして適切なアドバイスを受けるようにしてくださいね。

投稿者プロフィール

赤木和義
赤木和義
1979年生まれ。福岡県出身。18歳でダイビングライセンスを取得。2002年からインストラクターとして活動。今までに初級、中級ライセンスの発行人数は1000名を越す。